日本高齢者虐待防止センター電話相談

2010年3月25日木曜日

INPEA(日本国委員会による第5回「世界で高齢者虐待防止を考える日(WEAAD)」の記念イベント &「虐待対応の糸口をつかむタイムシート」ワークショップ同時開催のお知らせ!

INPEAの6月恒例のイベントを時開催いたします。合わせて、日本高齢者虐待防止学会会員によるワークショップを開催します。ふるってご参加ください

なお、会場が狭いため、参加者は先着70名とさせていただきます。下記連絡先まで、参加希望者のお名前(と所属のある方はご所属)を電子メールか、ファックスでお知らせください(会場のスペースの都合上、お断りする場合にのみ、お返事をさしあげます。ファックスでお申し込みの方は、ご連絡方法をお教え下さい。なお、こちらからお断りの返事がない限り、ご参加できます)。お申し込み締め切りは、5月31日(月)です。
日 時:

2010年6月13日(日)

13:30~15:00  INPEA第5回「世界で高齢者虐待防止を考える日(WEAAD)」イベント

15:15~17:00  「虐待対応の糸口をつかむタイムシート」のワークショップ
場 所:

東京 秋葉原ダイビル1202号 首都大学東京秋葉原サテライトキャンパス

東京都千代田区外神田1-18-13

JR「秋葉原駅」徒歩1分、つくばエキスプレス「秋葉原駅」徒歩2分

東京メトロ銀座線「末広町駅」徒歩5分

大きな地図で見るにはこちらをクリック
参加費:

1500円

(要事前登録)
参加資格:

高齢者虐待にご興味のある方ならどなたでもご参加いただけます。お申し込み締め切りは、5月31日(月)です。
INPEA第5回WEAAD記念イベント内容:

◆ご挨拶:多々良紀夫(淑徳大学大学院総合福祉研究科教授) 

◆基調講演(60分間):遠藤英俊(国立長寿医療センタ-包括診療部長) 「高齢者虐待防止と認知症」



◆第5回世界で高齢者虐待防止について考える日(WEAAD)参加者の意見交換
ワークショップ:

◆虐待対応の糸口をつかむタイムシート

土屋典子(立正大学) 副田あけみ(首都大学東京)



タイムシートの説明と活用法のワークです
連絡先:

◆首都大学東京 副田研究室

soe@tmu.ac.jp fax:042-677-2124



◆INPEA日本国委員会 日本大学 塚田研究室

tsukada.noriko@nihon-u.ac.jp fax:03-5275-8386

2010年3月24日水曜日

日本高齢者虐待防止センターニューズレター No.10

東京でも桜の開花宣言がありました! みなさんのところはいかがですか?
通勤や散歩の途中に、水仙、パンジー、椿、こでまりなど、いろいろな花を見ることができると、ちょっと嬉しくなりますね。

No10の目次は以下のとおりです。  (同じものを添付ファイルでお送りしています)
<エッセイ> 飯田さん、坂本さん
<虐待事例> 記事 17
<施設虐待> 記事3本 
<その他> 7
New! <調査研究情報> カナダのドクターが開発した「医師用 高齢者のおそれ指標」日本語版 説明文 (表自体は、添付ファイルで送付しています)

★★<INPEAINTERNATIONAL NETWORK for the PREVENTION OF ELDER ABUSE)日本国委員会による第5回「世界で高齢者虐待防止を考える日(WEAAD)」の記念イベント & 「虐待対応の糸口をつかむタイムシート」ワークショップ同時開催のお知らせ!>
      
添付ファイルで送らせていただきます。
    ⇒ 申込方法も書いてあります。ぜひ、ご参加を!!



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<エッセイ>
(1)「メイクで認知症の方が生き生き!」    飯田佳子(葛飾区職員)
(2)「高齢者虐待」との出会い         坂本陽亮(首都大学東京大学院)


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<虐待事例等>
1)  中川の男女死亡 老々介護の果てに夫病死、助け呼べず妻も?2010128  読売新聞)
2)   介護中の夫刺殺 起訴事実認める 20100128日 asahi.com
3)   函館の息子殺害:うつ病の次男、承諾殺人 情状認め執行猶予--地裁判決 /北海道  毎日新聞 2010211日 地方版
4)   母の成年後見人で2850万円横領 48歳息子に実刑判決2010210  読売新聞)
5)   「常識をたたき直す。もっと金を払え」 介護士の男再逮捕 寝たきり男性から現金脅し取る 2010.2.8 13:58  産経ニュース
6)   介護に疲れた」母の首しめる 都立病院職員の長男逮捕 2010.2.20 18:52  産経ニュース
7)   老老介護疲れ心中?高齢夫婦の遺体発見 倉敷 産経ニュース2010.2.18 14:41
8)   【裁判員 岐阜地裁】介護の母を殺害、懲役4年の被告が控訴 産経ニュース2010.2.18
9)   裁判員裁判:介護の母放置死 2被告実刑判決 /兵庫 毎日新聞 2010227日 地方
10)新潟・老夫婦心中?:「介護に疲れた」台所にメモ 近所の人「異変気付かず」 /新潟 毎日新聞 2010226日 
11)89歳男性殺害される/柏崎 20100303日 asahi.com
12) 裁判員が犯行状況を質問夫殺人未遂裁判2日目201033  読売新聞)
13)寝たきりの79歳妻、夫に首絞められ重体2010310917  読売新聞)
14)母の頭を畳に打ち、死なせる 容疑の男逮捕 静岡2010.3.5 21:28  産経ニュース
15)介護疲れで妻の首絞める 78歳夫を殺人未遂容疑で逮捕 兵庫県警 産経ニュース2010.3.16 23:19
16)同意殺人認めず懲役3年  心中目的妻絞殺で判決2010313   売新聞)
17)増える高齢者虐待 asahi.com20100313

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<施設虐待等>

1)認知症患者の身体拘束「適法」 最高裁、病院側勝訴が確定2010/01/26 12:22   【共同通信
2)動画サイトに「高齢者虐待」 三重の介護施設、投稿者は不明
2010.3.5 11:54  産経ニュース
3)ゆがんだ理想 たまゆら事件<上> 火災の背景  Tokyo web2010228

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<その他>
1)    介護支援連携指導料の新設
2)【地域支援事業】
3) 年金口座差し押さえられ、77歳男性孤独死 20100222日 asahi.com
4)「高齢者等居住安定化推進事業」・高齢者の住まいと地域包括ケアの連携推進に係る
説明会の実施について
5)悪質商法、高齢者が標的に業者にリスト流通20103152057   売新聞)
6)後たたぬ患者虐待 高齢者虐待防止法の改正を 神戸新聞(2010/03/14 12:04)
7)肋骨17本院内調査は「病的骨折」 看護師、安心し犯行継続か 産経ニュース
2010.3.12 12:31

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★このニューズレターに掲載している情報の出典:
各種オンラインニュース、市民福祉情報


<エッセイ>

「メイクで認知症の方が生き生き!」

                  飯田佳子(葛飾区職員)

「女は死ぬまでキレイが良い!」と力強く話してくれたのは今まで美容に無関心だった80代の方だ。今ではメイクの日を楽しみにしている。

 メイクボランティア初日は、入居者の方々が興味津々でメイク道具を触ったり、遠からず近からずの距離でウロウロしていたが、いざメイクを始めるとみんな緊張しつつも、目を輝かせる。好きな色やしてみたいメイクなどを尋ねると、恥ずかしそうに「ピンクの口紅がいい」「眉は太めがいい」など話してくれる。

メイクが終わると自分の顔を鏡でずっと眺めて離さない方ばかり。そして見たこともないようなとびっきりの笑顔でガールズトークに花を咲かせる。戦時中、好きだった人に会いに行くためにこっそり紅をさしたこと、キャリアウーマンとして世界中を飛び回っていたこと…など。心の中に秘めていたエピソードが飛び出す。化粧をしていた頃は女として輝き、自信に満ちた頃なのだろう。みんなタイムスリップしたように表情が生き生きとして、目が輝いている。認知症の方々とは思えない雰囲気だ。

この光景に施設の職員方も驚いたようで、寮母長さんからは「こんなに生き生きとしたみんなを見て感激しました。毎日いるのに知らない話も聞けました」と言われて私の方が感激した。

このメイクボランティアを通じて実感したことは、女性はきれいになることで他者と自分の違いを意識し、他者を意識することが認知症の方にとってよい刺激になっているということである。

その証拠にメイクをした後は、帽子をかぶってオシャレを楽しむ方、外に出かけようとする方、手掴みで食事をしなくなる方、みんなと会話をして座っていられるようになる方…など変化が出るのだ。そして一番の変化は全員が笑顔になることだ。花が咲いたようにフロア全体が明るくなり、活気づくのだ。

「女は死ぬまでキレイが良い!」と言った言葉の通り、女性はキレイを楽しむことが一番の認知症予防策になるのかもしれない。

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<エッセイ>
 
「高齢者虐待」との出会い
       
     坂本陽亮(首都大学東京大学院)

 僕は「高齢者虐待」という言葉と2年前に出会いました。その中でも僕は在宅において高齢者が虐待を受けているという事実を初めて知った時、非常に大きな衝撃を受けました。知った当時は、「なんでこんなことが起こるのか」「どうしてこんなひどいことをするのか」と、どちらかと言えば加害者に対して批判的な視点から、そのような疑問を抱いていました。

 僕は、祖父母がその生涯を終えるまで、家族で仲良く(と僕は信じています。)同じ屋根の下で暮らしていました。僕は祖父母が大好きで、いつも一緒にいて、昔の話をたくさん聞かせてもらい、その中でさまざまな苦労話なども聞かせてもらう機会がありました。そのため、僕はなぜ、今まで苦労してきた高齢者を虐待するのか、その加害者となる人々の心理が全く理解できませんでした。

 しかし、今までになされていた研究を見ていくと、高齢者虐待に至る要因にはさまざまなものがあり、その中には必ずしも加害者側にのみ責任を帰することができないのではないかと考えられるものもありました。その代表例として、「介護に対するストレス」があげられると思います。思い返してみれば、僕の家はたまたま近所に親戚も住んでいて、祖父が寝たきりになってしまった時などには、親族が交代しながら介護を行なうことができるような環境にあったために、運良く虐待という事態までに陥ることがなかったのではないかと考えられます。そう考えると、虐待とはどんな家庭でも起こりうる事態ではないのかと思えるようになってきました。

「虐待」とは何なのでしょうか。ただ単に相手が憎くて殴ったり、罵声を浴びせることと、一生懸命介護をし、そのためストレスを抱えてしまい、叩いたり、罵声を浴びせてしまうことを、同じ「虐待」と言う言葉で片付けてしまっていいのでしょうか。当然、高齢者側の視点から考えれば、身体を傷つけられ、また心にも傷を負わされてしまうような行為は虐待と言うように考えることが妥当でしょう。ただ、加害者となっている家族介護者の視点に立った時、虐待か否か、いかなる行為でも一律の判断ができるでしょうか。

 「高齢者虐待」という言葉と出会ってから2年。今僕は高齢者虐待に関する研究を行なっています。しかし、今でも「何が虐待なのか」「どのような解決がなされるべきなのか」常に悩んでいます。いつかこの悩みが解消されることを信じ、今は僕のできることをやっていきたいと考えています。