東京でも桜の開花宣言がありました! みなさんのところはいかがですか?
通勤や散歩の途中に、水仙、パンジー、椿、こでまりなど、 いろいろな花を見ることができると、ちょっと嬉しくなりますね。
No10の目次は以下のとおりです。 (同じものを添付ファイルでお送りしています)
<エッセイ> 飯田さん、坂本さん
<虐待事例> 記事 17本
<施設虐待> 記事3本
<その他> 7本
New! <調査研究情報> カナダのドクターが開発した「医師用 高齢者のおそれ指標」日本語版 説明文 (表自体は、添付ファイルで送付しています)
★★<INPEA(INTERNATIONAL NETWORK for the PREVENTION OF ELDER ABUSE)日本国委員会による第5回「 世界で高齢者虐待防止を考える日(WEAAD)」の記念イベント & 「虐待対応の糸口をつかむタイムシート」 ワークショップ同時開催のお知らせ!>
添付ファイルで送らせていただきます。
⇒ 申込方法も書いてあります。ぜひ、ご参加を!!
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<エッセイ>
(1)「メイクで認知症の方が生き生き!」 飯田佳子(葛飾区職員)
(2)「高齢者虐待」との出会い 坂本陽亮(首都大学東京大学院)
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<虐待事例等>
1) 中川の男女死亡 老々介護の果てに…夫病死、助け呼べず妻も?(2010年1月2 8日 読売新聞)
3) 函館の息子殺害:うつ病の次男、承諾殺人 情状認め執行猶予--地裁判決 /北海道 毎日新聞 2010年2月11日 地方版
4) 母の成年後見人で2850万円横領 48歳息子に実刑判決(2010年2月10日 読売新聞)
5) 「常識をたたき直す。もっと金を払え」 介護士の男再逮捕 寝たきり男性から現金脅し取る 2010.2.8 13:58 産経ニュース
6) 介護に疲れた」母の首しめる 都立病院職員の長男逮捕 2010.2.20 18:52 産経ニュース
7) 老老介護疲れ心中?高齢夫婦の遺体発見 倉敷 産経ニュース2010.2.18 14:41
8) 【裁判員 岐阜地裁】介護の母を殺害、懲役4年の被告が控訴 産経ニュース2010.2.18
9) 裁判員裁判:介護の母放置死 2被告実刑判決 /兵庫 毎日新聞 2010年2月27日 地方
10)新潟・老夫婦心中?:「介護に疲れた」台所にメモ 近所の人「異変気付かず」 /新潟 毎日新聞 2010年2月26日
12) 裁判員が犯行状況を質問…夫殺人未遂裁判2日目(2010年3月 3日 読売新聞)
13)寝たきりの79歳妻、夫に首絞められ重体(2010年3月 1日09時17分 読売新聞)
14)母の頭を畳に打ち、死なせる 容疑の男逮捕 静岡2010.3.5 21:28 産経ニュース
15)介護疲れで妻の首絞める 78歳夫を殺人未遂容疑で逮捕 兵庫県警 産経ニュース2010.3.16 23:19
16)同意殺人認めず懲役3年 心中目的妻絞殺で判決(2010年3月13日 読 売新聞)
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<施設虐待等>
1)認知症患者の身体拘束「適法」 最高裁、病院側勝訴が確定2010/01/26 12:22 【共同通信
2)動画サイトに「高齢者虐待」 三重の介護施設、投稿者は不明
2010.3.5 11:54 産経ニュース
3)ゆがんだ理想 たまゆら事件<上> 火災の背景 Tokyo web2010年2月28日
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<その他>
1) 介護支援連携指導料の新設
2)【地域支援事業】
4)「高齢者等居住安定化推進事業」・ 高齢者の住まいと地域包括ケアの連携推進に係る
説明会の実施について
5)悪質商法、高齢者が標的に…業者にリスト流通(2010年3 月15日20時57分 読 売新聞)
6)後たたぬ患者虐待 高齢者虐待防止法の改正を 神戸新聞(2010/03/14 12:04)
7)肋骨17本…院内調査は「病的骨折」 看護師、安心し犯行継続か 産経ニュース
2010.3.12 12:31
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★このニューズレターに掲載している情報の出典:
各種オンラインニュース、市民福祉情報
<エッセイ>
「メイクで認知症の方が生き生き!」
飯田佳子(葛飾区職員)
「女は死ぬまでキレイが良い!」 と力強く話してくれたのは今まで美容に無関心だった80代の方だ 。今ではメイクの日を楽しみにしている。
メイクボランティア初日は、 入居者の方々が興味津々でメイク道具を触ったり、 遠からず近からずの距離でウロウロしていたが、 いざメイクを始めるとみんな緊張しつつも、目を輝かせる。 好きな色やしてみたいメイクなどを尋ねると、恥ずかしそうに「 ピンクの口紅がいい」「眉は太めがいい」など話してくれる。
メイクが終わると自分の顔を鏡でずっと眺めて離さない方ばかり。 そして見たこともないようなとびっきりの笑顔でガールズトークに 花を咲かせる。戦時中、 好きだった人に会いに行くためにこっそり紅をさしたこと、 キャリアウーマンとして世界中を飛び回っていたこと…など。 心の中に秘めていたエピソードが飛び出す。 化粧をしていた頃は女として輝き、自信に満ちた頃なのだろう。 みんなタイムスリップしたように表情が生き生きとして、 目が輝いている。認知症の方々とは思えない雰囲気だ。
この光景に施設の職員方も驚いたようで、寮母長さんからは「 こんなに生き生きとしたみんなを見て感激しました。 毎日いるのに知らない話も聞けました」 と言われて私の方が感激した。
このメイクボランティアを通じて実感したことは、 女性はきれいになることで他者と自分の違いを意識し、 他者を意識することが認知症の方にとってよい刺激になっていると いうことである。
その証拠にメイクをした後は、 帽子をかぶってオシャレを楽しむ方、外に出かけようとする方、 手掴みで食事をしなくなる方、 みんなと会話をして座っていられるようになる方… など変化が出るのだ。 そして一番の変化は全員が笑顔になることだ。 花が咲いたようにフロア全体が明るくなり、活気づくのだ。
「女は死ぬまでキレイが良い!」と言った言葉の通り、 女性はキレイを楽しむことが一番の認知症予防策になるのかもしれ ない。
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<エッセイ>
「高齢者虐待」との出会い
坂本陽亮(首都大学東京大学院)
僕は「高齢者虐待」という言葉と2年前に出会いました。 その中でも僕は在宅において高齢者が虐待を受けているという事実 を初めて知った時、非常に大きな衝撃を受けました。 知った当時は、「なんでこんなことが起こるのか」「 どうしてこんなひどいことをするのか」と、 どちらかと言えば加害者に対して批判的な視点から、 そのような疑問を抱いていました。
僕は、祖父母がその生涯を終えるまで、家族で仲良く( と僕は信じています。)同じ屋根の下で暮らしていました。 僕は祖父母が大好きで、いつも一緒にいて、 昔の話をたくさん聞かせてもらい、 その中でさまざまな苦労話なども聞かせてもらう機会がありました 。そのため、僕はなぜ、 今まで苦労してきた高齢者を虐待するのか、 その加害者となる人々の心理が全く理解できませんでした。
しかし、今までになされていた研究を見ていくと、 高齢者虐待に至る要因にはさまざまなものがあり、 その中には必ずしも加害者側にのみ責任を帰することができないの ではないかと考えられるものもありました。その代表例として、「 介護に対するストレス」があげられると思います。 思い返してみれば、僕の家はたまたま近所に親戚も住んでいて、 祖父が寝たきりになってしまった時などには、 親族が交代しながら介護を行なうことができるような環境にあった ために、 運良く虐待という事態までに陥ることがなかったのではないかと考 えられます。そう考えると、 虐待とはどんな家庭でも起こりうる事態ではないのかと思えるよう になってきました。
「虐待」とは何なのでしょうか。ただ単に相手が憎くて殴ったり、 罵声を浴びせることと、一生懸命介護をし、 そのためストレスを抱えてしまい、叩いたり、 罵声を浴びせてしまうことを、同じ「虐待」 と言う言葉で片付けてしまっていいのでしょうか。当然、 高齢者側の視点から考えれば、身体を傷つけられ、 また心にも傷を負わされてしまうような行為は虐待と言うように考 えることが妥当でしょう。ただ、 加害者となっている家族介護者の視点に立った時、虐待か否か、 いかなる行為でも一律の判断ができるでしょうか。
「高齢者虐待」という言葉と出会ってから2年。 今僕は高齢者虐待に関する研究を行なっています。しかし、 今でも「何が虐待なのか」「 どのような解決がなされるべきなのか」常に悩んでいます。 いつかこの悩みが解消されることを信じ、 今は僕のできることをやっていきたいと考えています。