日本高齢者虐待防止センター電話相談

2010年5月25日火曜日

日本高齢者虐待防止センターニューズレター No.11

夏が来たり、早春に戻ったり、、、地球温暖化のせいでしょうか、世界のあちこちが異常気象のようです。気候不順やこれからやってくる梅雨にめげないよう、体調管理をいたしましょう!



ニューズレターが文字化けすることもありますので、以下と同じものを添付ファイルでもお送りします。


No11の目次は以下のとおりです。

<エッセイ> 渡邊さん、梶川さん
<家庭内虐待事例> 記事 11本
<施設虐待> 記事6本 
<その他> 14本


★★<INPEA(INTERNATIONAL NETWORK for the PREVENTION OF ELDER ABUSE)日本国委員会による第5回「世界で高齢者虐待防止を考える日(WEAAD)」の記念イベント &
「虐待対応の糸口をつかむタイムシート」ワークショップ同時開催のお知らせ!>

      来る6月13日 日曜日1:30~です。
INPEAのサイトに詳細と申込方法が書いてあります。ぜひ、ご覧ください!

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<エッセイ>

「私の心配ごと」渡邊 洋平(団体職員)
「10年目のウォンツリスト」梶川義人(日本高齢者虐待防止センター)


<家庭内虐待>

1)娘に介護の悩み伏せ 岩槻で夫絞殺容疑の妻逮捕   毎日新聞2010年3月27日

2) 介護する実母への傷害致死罪に執行猶予  Asahi/com

3)自殺:入院の母刺され重傷、息子死亡 介護疲れか--東京・羽村の病院
毎日新聞 2010年4月21日 東京夕刊

4) 和歌山で夫婦と祖母死亡…無理心中か
(2010年4月19日16時14分  読 売新聞

5)<夢の跡>番外編 婚期逃す男の介護   中日新聞2010年4月19日

6)探’10:札幌の75歳夫、78歳妻と無理心中 認知症、介護支援の壁に
 独りで担い、行き詰まる?
毎日新聞 2010年5月1日 北海道朝刊

7) 「介護に疲れ母親殺した」 娘自首、殺人容疑で捜査 2010/04/28 14:07   【共同通信】

8) 理心中?:85歳女性、首絞められ死亡 夫「介護疲れた」--相模原 /神奈川
毎日新聞 2010年5月7日 地方版

9)殺人未遂:母親の首絞める 容疑で62歳長男逮捕--上田署 /長野
毎日新聞 2010年5月19日 地方版

10) 老老介護殺人 元中学校長に懲役2年  東京新聞 2010年5月18日

11) 介護施設長、75歳母つねる…日常的に虐待か (2010年5月18日15時53分  読 売新聞)

 
<施設虐待>

1)【栃木】裸など撮影『不適切』 医療法人「北斗会」理事長が謝罪 東京新聞2010年4月20日

2) 虐待?:入所94歳、急性腎不全で死亡 体にすり傷--愛知・一宮の施設
毎日新聞 2010年4月24日 東京夕刊

3)宇都宮・老人施設虐待疑惑:首にオムツ、撮影も 市改善勧告調査内容 /栃木
毎日新聞 2010年5月1日 地方版

4)真岡病院:准看護士、患者の顔携帯で撮影 同僚に見せる 厳重注意し謝罪 /栃木
毎日新聞 2010年5月8日 地方版

5) 病院でも身体拘束禁止を 高齢者虐待、法改正求める2010/05/13 16:45   【共同通信】

6)介護施設で高齢者3%拘束 8千人が“虐待”状態か 共同2010年5月19日 22時57分

<その他>

  1. ○厚生労働省 第3回特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携による
2) )改正介護保険法が成立 特養入所措置 「当分の間延長」
 (2010/04/01) Siver-news.com


3)高齢者虐待防止法、介護者支援重点に見直し検討―山井厚労政務官
2010年4月14日 16時28分


4)今後10年現行のままなら介護保険「維持できない」87% 全市町村 読売調査
5)専門社会福祉士認定制度

6)<セカンドらいふ>認知症支援  地域つなぐ『サポート医』2010年4月21日



7)特集ワイド:孤独な死、あなたなら? 推計年間2万人超、このうち65歳未満3~4割  毎日JP20100419

8)  神奈川:無届け老人ホーム 規制と現実、悩み深く /神奈川 ◇事故防止狙い実態を調査 県が全国最多に 毎日新聞 2010年4月25日 地方版



9)孤独死防止へ住民主体の「見守り」活動広がる、自 治体も後押し/神奈川(かなころ:神奈川コミュニティサイト)

10) 身寄りない認知症高齢者、首長の後見申請急増(2010年5月2日03時14分  読 売新聞)

11) 高齢者にやさしくし隊:登録、半年で467件に上る--大垣市 /岐阜
毎日新聞 2010年5月8日 地方版

12) 市民後見人:育てて 支援・養成、自治体の7% 毎日新聞 2010年5月11日 東京夕刊

13) 【介護保険制度】 ○厚生労働省老健局総務課 介護保険制度に関する国民の皆さまからのご意見募集の結果について(2010.05.15公表)


14)<看取りビジネス>(1) 巧妙、公金から暴利  中日新聞「介護社会」取材班

2010年5月3日


以上の情報は、主に「市民福祉情報」から得ています


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<エッセイ>1
「私の心配ごと」

渡邊 洋平(団体職員)

この仕事をしていると、時折、信じられないような「ゴミ屋敷」に出会います。
ご本人はにこにこと暮らしているのですが、一体どこで寝ているのだろうと疑問に思うほどのお家なのです。認知症の方で、片づけられなくなってというのならわかるのですが、どうもそうではない様子。


一 方、まったく掃除をしていないようなお家にいくこともあります。いたるところが汚れてはいるのだけども、物がすくなくてとてもすっきりとしたお家も中には あります。こうしたお家はゴミ屋敷にはなりません。どうも、日常の掃除をする能力とそのお家が「ゴミ屋敷」になってしまうという現実との間にはそんなに相 関関係がないようにおもいます。

多くの高齢者の方々は、お家をとてもきれいにしていて、掃除のできない私はいつも感心するのですが、そんな方たちでも応接間を一歩離れると、隣の部屋は物でいっぱい(ゴミ屋敷予備軍です)。何かの拍子に本当にゴミ屋敷にならないか心配になります。


お そらく、掃除をする能力があったとしても、物を捨てられる能力というのが備わっていないとゴミ屋敷になる可能性はとても高いのでは、というのが私の感想で す。そして、認知症になる、ならないにかかわらず掃除をする能力も物を捨てる能力も加齢とともにだんだんと下がってくるようです。いつか捨てるからではお そいのです。でも、物さえ捨てておけば「ゴミ屋敷」にはならないわけです(あたりまえですが)。


さ て、我が家にこのことを当てはめてみると、妻は掃除をする能力に長けていますが、物を捨てる能力はありません。私には掃除をする能力はありませんが、物を 捨てる能力はぴか一です。夫婦二人で一人前なわけですが、上の理論を適用すると、一人暮らしになった時にゴミ屋敷になるのは妻のほうになるわけです。妻の 荷物を眺めるたびに、物を捨てられない人に物を捨てるように勧めることはなんと難しいのかと日々感じております。


「ゴミ屋敷」予防には物を捨てる力を身に つけることと日々妻に言っているのですが、妻は全く意に介さず、さっきも逆に脱いだ靴下は洗濯機に入れるように怒られてしまいました。私の心配はうまく伝 わらないようです。いやはや、いやはや。


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<エッセイ>2

「10年目のウォンツリスト」


梶川義人(日本高齢者虐待防止センター)


  私が高齢者虐待の問題に取組むべく当センターで活動するようになり10年がたつ。あっという間に過ぎた感もあるが、家庭内虐待に関する全国調査、モデル事 業、専門学会の設立、高齢者虐待防止法の施行と法にもとづく対応の展開、施設内虐待に関する全国調査など、案外たくさんのことがあった。介護殺人や施設内 虐待の事例など思い出深い報道も少なくない。他ならぬ当センターも法人化し、今では、法改正に向けた議論がなされている。思えば遠くへ来たものだ。


  しかし、国全体としてみれば、先進的な自治体がようやく取組みのマネジメントサイクルの二巡目にさしかかったに過ぎない。実態調査、体制づくり、防止計画 の立案と実施、その検証など、ひととおりの段階を経てマニュアルを改訂している一握りの自治体がある一方、多くの自治体はその途上にある。従事者による虐 待に関してはさらに進みは遅く、多くは、はじめの一歩すら踏み出してない。つまり、感慨にふけるには時期尚早で、すべきことが山積しているわけである。


 そこで、10年目の私のウォンリスト(欲しいもの一覧)を記しておきたい。
 1つめは、事例の実態と対応の実情に関する情報である。虐待発生のしくみを解明し、成功事例と失敗事例から教訓を得、よりより対応方法を考えたいからである。できれば、全国の事例を集めたデータベースを構築したい。

 2つめは、常勤職員である。いくら大志を抱いても、素人が参考書片手に総務、労務、財務にあたっているようでは、センターの発展はおぼつかない。一人でよいから常勤者がほしい。

 3つめは、自社ビルである。会議も、相談も、研修も、そして事務も、いちいち場所を借りなくても済むようにしたい。

 4つめは、お金である。先立つもとして、今、最も欲しいものかもしれない。そのせいか、事業仕分けのニュースを見聞きするたびに、「そんな巨額を無駄に遣っているなら、こっちにまわしてくださいよ!」と、いつも心のなかで叫んでいる。


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